アフリカ南部は、自然に強く依存した生産形態をとっており、気候変動リスクに対し極めて脆弱です。本研究では、アフリカ南部の気候に影響する亜熱帯ダイポールモード現象などの気候変動現象の発生と長期変動メカニズムを明らかにし、アフリカ南部社会の持続的成長に貢献することを目指します。具体的には、気候変動現象とその影響を正確に表現できる高精度の大気海洋結合モデルを用いてアンサンブル予測実験を行い、数ヵ月から数年先の気候の自然変動を予測します。そして、この予測結果を領域モデルに取り入れて、局所的な気象現象の予測研究の推進とともに、アフリカ南部に実用的な早期予測システムを構築します。さらに、予測実験結果の解析により、気候変動現象の予測の可能性を調べるとともに、予測結果の検証作業を通して、気候モデルに用いられる雲や降水過程のパラメタリゼーションの高精度化を行います。
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本国際共同研究の研究活動は、大きく5つの項目に分類することができ、それぞれの項目の成果目標は、以下の通りです。
- 亜熱帯ダイポールモード現象の予測可能性が評価される。
- 大気海洋結合モデルを用いたアフリカ南部の季節気候予測が行われる。
- 大気海洋結合モデルが高精度化される。
- 早期予測システムが改善される。
- 南部アフリカ地域において気候変動に関連する研究者のネットワークが構築されると共にインターネット等により早期予測情報が地域社会に発信される。