東塚 知己のホームページ

気候変動研究のアフリカ南部における応用

 気候変動研究の応用の一環として、アフリカ南部への応用を目指した以下のプロジェクトに携わってきています。

■ 気候変動予測とアフリカ南部における応用(2009年〜2013年)
 アフリカ南部は、自然に強く依存した生産形態をとっており、気候変動リスクに対し極めて脆弱です。本研究では、アフリカ南部の気候に影響する亜熱帯ダイポールモード現象などの気候変動現象の発生と長期変動メカニズムを明らかにし、アフリカ南部社会の持続的成長に貢献することを目指します。具体的には、気候変動現象とその影響を正確に表現できる高精度の大気海洋結合モデルを用いてアンサンブル予測実験を行い、数ヵ月から数年先の気候の自然変動を予測します。そして、この予測結果を領域モデルに取り入れて、局所的な気象現象の予測研究の推進とともに、アフリカ南部に実用的な早期予測システムを構築します。さらに、予測実験結果の解析により、気候変動現象の予測の可能性を調べるとともに、予測結果の検証作業を通して、気候モデルに用いられる雲や降水過程のパラメタリゼーションの高精度化を行います。
 海洋研究開発機構が、日本側代表研究機関のプロジェクトで、東京大学の研究グループの代表として、中心的な役割を果たしていました。プロジェクトのホームページは、こちらへ。


■ 南部アフリカにおける気候予測モデルをもとにした感染症流行の早期警戒システムの構築(2014年〜2019年)
南部アフリカでは、感染症の流行が人々の生活を脅かしていますが、近年の気候変動の影響により、これまでと異なった地域や規模で感染症の流行が発生する危険性が高いことが考えられています。本研究では主に気候が流行発生に影響しているマラリア・肺炎・コレラ等の下痢症を対象に、気候変動予測モデルに様々な環境因子の影響を加味した感染症流行予測モデルを開発し、効果的な感染症対策実施のための早期警戒システムの構築を目指しています。
 長崎大学熱帯医学研究所が、日本側代表研究機関のプロジェクトで、兼務先の海洋研究開発機構の一員として、このプロジェクトに携わっています。プロジェクトのホームページは、こちらへ。