研究紹介

1. プリミティブ方程式系における3次元残差流と波活動度フラックスについて (修士課程での研究内容)

私は、大気物理学を中心とした研究を行っています。その中でも特に物質輸送における擾乱の役割について調べてい ます。上記の研究は、波と大規模場の相互関係を表す方程式系について行ったものです。

2. 慣性重力波とロスビー波両者に適用可能な3次元残差流

修士課程の研究をさらに発展させ、波の特性を表す分散関係式を用いずに3次元残差流の中に含まれるStokes driftを その定義から定式化しました。また、背景場に対する波強制に対応する3次元波活動度フラックスの導出を行いました。

3. 慣性重力波とロスビー波両者の伝播を記述する3次元波活動度フラックス

2. の研究とともに、波の伝播を記述する3次元波活動度フラックスの導出を行いました。またそれに伴い、慣性重力波 とロスビー波両者の特性を表す分散関係式も導きました。

研究2及び3は、「大気大循環の3次元構造を記述する新理論」というタイトルでプレスリリースされました。詳細はこちら

4. 赤道波に適用可能な3次元残差流と波活動度フラックス

赤道域に捕捉された波動 (ケルビン波や混合ロスビー重力波など) に適用可能な3次元残差流と波活動度フラックスを新たに導出しました。

5. Poker Flat MF radar で観測された中間圏重力波運動エネルギーの潮汐変調

Alaska, Poker Flat に設置されたMF radar観測データを用いて中間圏の重力波活動を調べた結果、高度約80kmより下層では日周期、上層では半日周期が卓越することがわかりました。また、冬季において重力波運動エネルギーの半日周期の位相が半日潮汐波の位相に10日以上追随する現象が見られ、その物理メカニズムを簡単な重力波強制モデルを用いて考察しました。