当研究室を希望する受験生の方々へ
気象学は天気や気候変動など身近な現象に関連した学問分野ですが、その中身は流体力学や熱力学など、物理学が基礎となっています。したがって、気象学の面白さを理解し、研究するためには、あらかじめ数学や物理学についての基礎学力が必要です。
私の研究室で用いている研究手法は、大型サーバーを使った大量データ解析、紙と鉛筆での理論、スーパーコンピュータによる数値モデル実験、そして、南極での観測等。必要に応じて使い分けています。いずれにしても計算機(主にlinux)をハードに使うことになりますので、計算機やプログラミングにアレルギーがないことが望ましいです。計算機操作の経験はあるほうがスムーズに研究がスタートできますが、アレルギーさえなければ大学院に入ってからでも間に合うでしょう。
大学院での研究テーマ
大気力学・中層大気科学に関するテーマとなります。具体的にどんな研究テーマにするかはひとりひとりの学生の興味に合わせ、一緒に議論して決めます。
セミナー
私達の研究室では、週に1度、学生および教員全員が集まり、気象学の基礎的な教科書(英語)を読みながら、納得するまで議論するセミナー(大気物理学ゼミナール)をしています。このセミナーを通じて、大気現象の捉え方や英語表現の基礎知識を身につけていきます。また、週に1度コロキウム形式で、大気科学分野(佐藤、小池、三浦)の研究発表を行っています(気象学セミナー)。これは、修士論文や博士論文の研究内容の徹底した議論を行うと共に、研究発表方法を習得するトレーニングの場となっています。そのほか最近の論文や大事な論文を読む昼ゼミ、東大AORIの佐藤正樹先生と共同のセミナー(大気力学合同セミナー)も行われています。
講義
気象学の全体像は、大気物理学Ⅰ~Ⅳのシリーズ講義、気候力学Ⅱで勉強することになります。学部で気象学(大気力学)を勉強していないかたは、修士1年のときに、大学院学部共通講義である地球流体力学Ⅰ、Ⅱ、それから、共通講義ではないですが大学院でも単位が取得できる学部4年向けの気象学や大気海洋系物理学に出ていただきます。盛り沢山ですが、最初が肝心ですので、しっかり勉強して下さいね。
観測参加
情報・システム研究機構との共同研究の一環として、毎年0~2回、京都大学生存圏研究所のMUレーダー観測所で観測をしています。このとき、レーダー観測と同時に気球を用いたラジオゾンデ観測を行います。ラジオゾンデ観測は、気象の基本観測の1つであり、これを経験することで、研究に使用する各種気象データがどのように作られているのか実感することができると思います。研究室の大学院生の皆さんや観測実習の学部生の皆さんにも積極的に参加してもらっています。