海洋地球研究船「みらい」MR24-04航海に参加しました
概要
2024年6月21日から7月30日にかけて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の保有する海洋地球観測船「みらい」による「北西太平洋熱帯域における大気海洋相互作用観測」が実施されました。本研究室からは博士課程1年の橋本恵一と修士課程2年の上野和雅が参加しました。
北西太平洋熱帯域(フィリピン海)に設定した定点で30日にわたり、3時間ごとのラジオゾンデ放球と電気電導度・水温・水深計(CTD)投入を行いました。またこの間、「みらい」に搭載されたCバンドデュアルドップラーレーダーによる雲・降水の連続観測を実施しました。観測の詳細につきましては、JAMSTEC機関リポジトリを通じて配布されるクルーズレポートをご覧ください。
観測期間中、台風3号(GAEMI)のもととなる熱帯擾乱が定点近傍で発生しました。またフィリピン海におけるモンスーンのオンセットにも立ち会うことができました。
感想
これまでは熱帯の対流システムや大規模循環について、主に数値シミュレーションを用いて研究してきました。しかし船上では雲の発達を目で見て、降水を肌で感じることができ忘れ難い経験となりました。観測の原理と手法について親切に教えてくださった観測技術員の皆さま、良質なデータ取得を支えてくださった船員の皆さま、現象を眺めながらの議論に花を咲かせた研究者・学生の皆さまに心から御礼申し上げます。
橋本
船上での経験はどれをとっても日常では経験できないことばかりで、貴重でとても楽しく、密度の濃い40日間でした。レーダー画像を見て、近づいてくる雨雲を感じるべくデッキにいそいそと出て行ったり、夕焼けや星空を皆で眺めて人工衛星や流星を探したり、観測技術員さんにいただいたココアを飲みながら皆で談笑したり、どの場面を切り取っても忘れられない思い出です。関わってくださった全ての皆さまに感謝申し上げます。
上野