上野和雅さんが日本気象学会松野賞を受賞しました
日本気象学会2024年度秋季大会において、修士課程2年の上野和雅さんが松野賞を受賞いたしました。
発表の概要は以下の通りです。
日時:2024年11月12日(火)9:45-11:45
雲粒衝突併合過程の計算における量子コンピュータ活用
上野和雅1, 三浦裕亮1
雲粒の衝突併合による成長過程の計算における、量子計算の活用可能性に関して調査を行った。雲粒質量分布の確率分布の時間発展を記述するマスター方程式の計算は、雲粒質量の種類数の増加に対して状態数が指数的に増えてしまうという計算的な課題がある。
本研究では、重ね合わせの原理などの量子の性質を活用することで、同一の遷移規則に従う確率の流れが一度の計算で同時並行に計算可能であることに着目し、量子アルゴリズムを構築した。古典計算では雲粒質量の種類数の増加に対して指数的に計算時間が延びてしまうのに対し、本研究で提案した量子アルゴリズムでは2乗程度に延びが抑えられることを示した。
1: 東京大学大学院理学系研究科