過去の続きみたいなもの。当たり前すぎるのかちょっと調べたら出ていなかったのでメモ。
\# もう一年以上か‥
二回の観測量の和の不確かさ
ある量を二回観測したら\(A\) と \(B\) だった。この二回の観測の和に付随する不確かさは如何ほどか。それぞれの不確かさはアンサンブル平均を \(\langle \rangle\) で表して、 \[ a^2= \langle (A− \langle A \rangle)^2\rangle = \langle A^2 \rangle − \langle A\rangle^2\] \[ b^2= \langle (B− \langle B \rangle)^2\rangle = \langle B^2 \rangle − \langle B\rangle^2\] である。二回の観測量の和の不確かさは \[ \langle \{ (A+B)− \langle A+B \rangle \}^2 \rangle \] である。\(\langle A+B\rangle = \langle A \rangle + \langle B \rangle\) に注意して計算すると \[ a^2+b^2+2\langle AB \rangle −2 \langle A \rangle\langle B \rangle \] となる。ここで座標をうまくとって \(\langle A \rangle \equiv 0\) となるようにしておく。
二つの極端な場合を考える。自由度 1(すなわち \(A=B\))のとき、この不確かさは \(4a^2\) となる。自由度 2(すなわち \(\langle AB \rangle =0\))のときは、この不確かさは \(a^2+b^2\)である。時系列の観測で自己相関が 1 の時間を ΔT それが過ぎたら無相関という場合を考えると、前者は ΔT 内に二回観測があった場合、後者は観測の間隔が ΔT より空いていた場合である。
データが 3 つの場合も考えると、独立なデータ K 個を含む N 個のデータの和には \[ (a_1^2 +a_2^2+⋯+a_N^2)×N/K \] の不確かさが付随する、ということでよさそうである。
観測量の積分に対する不確かさ
時間 2T の間に二回の観測があったとする。積分量の推定値は \(A_1 T + A_2 T\)である。もしこの二回の観測が自由度 1(すなわち \(A_1=A_2=A\))であったなら不確かさは上記により \[ (a_1^2+a_2^2) \times 2 \div 1 \times T^2=4a^2T^2 \] である。自由度 1 だから観測を一つだけ用いる事にすると積分量の推定値は \(A1 \times 2T\) で同じ。不確かさは \[ a_2 \times 1 \div 1 \times (2T)^2=4a^2T^2 \] でこれまた同じ。自由度に応じて領域平均したりする必要ないってことか。