ブロッキング現象とは、ある季節の上空の西風が本来強いはずの場所で、循環の 持続的な南北蛇行に伴い、西風が非常に弱まり、それに駆動される移動性擾乱の 経路が阻害されてしまう現象である。ブロッキングは冷夏や猛暑などの異常気象 をもたらす重要な現象である。
本研究の目的は、ブロッキング高気圧の3次元構造、時間発展の地域的特性につ いて統一的な解釈を掲示することである。そこで、NCEPの再解析データを用いて 北半球冬季、中高緯度各地で観測された顕著な高気圧偏差について250hPaの高度 場偏差を基準として合成図解析を行った。今回の発表では、250hPa面の高気圧偏 差の増幅に対する移動性擾乱からのフィードバック強制の定量的な見積りと高気 圧偏差の減衰期において射出されるロスビー波が成層圏の循環にどのような影響 を与えるか、について報告する。