升本順夫
プロジェクト紹介のページ

東京大学大学院理学系研究科
地球惑星科学専攻
大気海洋科学講座

● 現在参加しているプロジェクト

1 IIOE-2   International Indian Ocean Expedition-2
2 EIOURI   Eastern Indian Ocean Upwelling Research Initiative
3 TPOS2020   Tropical Pacific Observing System 2020


 IIOE-2 :  International Indian Ocean Expedition - 2

IIOE-2 は、インド洋全域を対象として、海洋の物理・化学・生物・地質、気象や気候、それらと人間活動との関わりを明らかにするための総合的な研究プロジェクトです。1960年代前半に行われた IIOE から50年の節目を迎え、その間に飛躍的に発展した観測技術と数値計算技術を利用して、インド洋の新たな研究を推進することを目的としています。このプロジェクトは2015年12月から5年間の予定で実施されており、以下の6つの科学テーマのもとで様々な研究が進められています。

 

 1. Human impacts

 

 2. Boundary current dynamics, upwelling variability and ecosystem impacts

 

 3. Monsoon variability and ecosystem response

 

 4. Circulation, climate variability and change

 

 5. Extreme events and their impacts on ecosystems and human populations

 

 6. Unique geological, physical, biogeochemical, and ecological features of the Indian Ocean

 

 

この中の科学テーマ2の共同議長として、インド洋の境界流と湧昇過程の研究を国際的にリードしています。

 

 

 EIOURI :  Eastern Indian Ocean Upwelling Research Initiative

EIOURI は、東部インド洋に見られる海洋湧昇域の物理的な特性と変動メカニズム、生物地球化学的諸量の分布や変動との関連を明らかにすることを目的として実施されている国際的な共同研究プロジェクトです。このプロジェクトはIIOE-2の主要研究プロジェクトの1つともなっています。

  

 EIOURIとIIOE-2の研究推進のため、2018年11月には学術研究船「白鳳丸」を使って、ベンガル湾から赤道域、さらにスマトラ島・ジャワ島沖の湧昇域の観測を行う予定です。これらの観測データと、高解像度の数値モデルを用いて、湧昇域の総合的な研究を進めています。

 

 

 

 TPOS2020 :  Tropical Pacific Observing System 2020

太平洋熱帯域には、そこでの大気海洋変動、特にエルニーニョ現象などに関連する大気海洋の状況をモニターし、それらに関する研究に資するためのデータを提供するための観測網が構築されています。これは熱帯太平洋観測システム(TPOS)と呼ばれ、係留系アレイ(TAO/TRITON array)やアルゴフロート、人工衛星からのリモートセンシングなど、多様な観測装置を用いた統合システムとなっています。

 

TPOS2020 は、このTPOS の 2020 年以降の展開を見据えて

 

 ・どのような観測網が求められるか、
 ・基盤となるTPOSに加えて、プロセス研究用の観測プロジェクトとして

  どのようなものが考えられるか

  観測データを数値モデルと統合させ、気候変動予測を行う場合に

   鍵となる観測やデータは何か、

 

などを検討するための国際的な委員会です。

主に数値モデリングの視点から、またインド洋での活動とのリンクを考える視点から、 この委員会の運営委員に加わっています。