海洋と気候の変動メカニズムを探る

地球の表面の7割を覆う海洋は、とても薄っぺらな水溜りです。多くの生命を育み、地球の気候を調節している海洋ですが、この海洋の多様な働きには、その中での海水の動き、熱や物質の動きが重要になります。まだ未解明な部分が多いこの「海洋の変動」、その海洋が重要な働きをしている「気候の変動」を明らかにする研究を行っています。

東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 大気海洋科学講座
升本研究室


Message to Students

気候や海洋の変動メカニズムを明らかにする研究は、複雑な地球の営みの一部を理解する楽しみがあり、また私たちの生活にも直接役立つ情報を発信できる重要性を持っています。これまでの気候・海洋変動の研究で多くのことが分かってきていますが、現実に起こっている、これまでに起こった、そして今後起こるであろう状況を理解し予測するためには、まだ分からないことが非常に多く残されています。「これはどうなっているのだろう」という興味があれば、ぜひ突き詰めてみてください。

私の研究では主に数値シミュレーションを用いていますが、既存データの解析や、観測も行っています。流れやトレーサー場の変動を再現し、理解するためには、その背後にある物理機構を理解する必要があります。そのため、物理学や数学の基礎知識やプログラミングの知識も必要となります。一緒に研究してみたい学生さんには、「あらかじめ基礎知識を身につけていることが望ましいけれど、意欲があれば、努力次第で発展できるはず」と伝えています。私自身も、十分に基礎知識を持ったとは言えない状況で研究を始め、数値シミュレーションや気候変動を理解する面白さにのめり込んだ経緯があります。

気候や海洋の研究に興味があれば、いつでも話を聞きに来てください。
(まずはメールで連絡をしてください。)

升本 順夫
東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授


Latest News

2024.3.7
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メンバーページに受入研究者の欄を追加しました。


2024.1.15
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海洋出版発行の月刊誌『月間 海洋 2024年1月号 (Vol.56, No.1, 2024) 特集:海洋と大気の波動・渦・循環の力学』に、博士課程2年の寺田さんの記事「東部太平洋赤道域の深さ1000mにおける季節内変動の経年変化」、本研究室の卒業生で北海道大学低温科学研究所の松田さんの記事「南極周極流の渦飽和」が掲載されました。

2023.9.27

発表アイコン 京都大学吉田キャンパスで開催された日本海洋学会 2023年度秋季大会において、升本先生と博士課程3年の久住さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: 升本順夫
Title: 2024年⽩鳳丸東部インド洋観測航海−東部インド洋における海洋 物理・⽣物地球化学・⽣態系の統合的理解−

Presenter: 久住空広, 升本順夫
Title: ソマリア沖海域の高気性渦「Southern Gyre」の経年変動に伴う夏季海面水温偏差とその力学過程
2023.7.17

発表アイコン ドイツ・ベルリンにて開催されたIUGG BERLIN 2023で、升本先生、博士課程3年の久住さん、博士課程2年の寺田さんが研究成果を発表しました。

Presenter: Yukio Masumoto (Poster Presentation)
Title: Upwelling off the southern coast of Java Island: Revisit its seasonal development

Presenter: Takahiro Kusumi (Poster Presentation)
Title: Distinct wind stress pattern causing the two-gyre structure in the Somali Current during boreal summer

Presenter: Yusuke Terada (Oral Presentation)
Title: Interannual variation of the intraseasonal variability at 1000m depth in the eastern equatorial Pacific Ocean
2023.4.1
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穴見さんが修士課程に入学しました。おめでとうございます。
メンバーページも更新しました。

2023.3.15
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医学書院発行の月刊誌『公衆衛生 2023年3月号 (Vol.87, No.3) 特集:気候危機に立ち向かう ‐ 気候変動は公衆衛生の非常事態』に、升本先生の記事「気候変動予測と大気海洋相互作用」が掲載されました。
大気海洋分野の研究者でない方にも分かりやすく気候変動予測について解説された記事です。

2023.3.6
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昨年度、升本研で学位を取得した松田さんの論文が出版されました。論文リストも更新しました。

Authors: Matsuta, T. and Y. Masumoto
Title: Energetics of the Antarctic Circumpolar Current. Part I: The Lorenz energy cycle and the vertical energy redistribution
Journal of Physical Oceanography, Early Online Release, doi: 10.1175/JPO-D-22-0133.1
2023.2.8
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博士課程2年の久住さんの論文が出版されました。論文リストも更新しました。

Authors: Kusumi, T. and Y. Masumoto
Title: Possible Mechanisms of Interannual Variations in Surface Mixed-layer Temperatures off Somalia in Boreal Summer
Journal of Climate, Early Online Release, doi: 10.1175/JCLI-D-22-0082.1
2022.11.12

発表アイコン 名古屋大学で開催された研究集会"Approaches for Hydrospheric-Atmospheric Environmental Studies in Asia-Oceania"で、博士課程2年の久住さんと1年の寺田さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: Takahiro Kusumi
Title: The role of the anticyclonic eddy shed from the separation point of the western boundary current

Presenter: Yusuke Terada
Title: Downward propagation of equatorial intraseasonal waves from the western boundary
2022.10.1
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米国から来日した国費外国人留学生のトラビス・プロシェコさんが修士課程に入学しました。入学おめでとうございます。
メンバーページも更新しました。

2022.9.7

発表アイコン 名古屋大学東山キャンパスとオンラインのハイブリッド形式で開催された日本海洋学会 2022年度秋季大会において、博士課程1年の寺田さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: 寺田雄亮, 升本順夫
Title: 西岸境界における赤道波動エネルギーの沈み込み

また、シンポジウム『将来構想2021: 熱帯域の分野横断型プロジェクトの立案に向けて』において、升本先生が 「分野横断型研究を目指すには…」 の演題で発表し、意見交換を行いました。
2022.5.31

発表アイコン ハイブリッド方式(幕張メッセ+オンライン)で開催された日本地球惑星科学連合2022年大会において、博士課程2年 久住さんと博士課程1年 寺田さんが、それぞれ研究成果をポスター発表しました。

Presenter: 久住空広, 升本順夫
Title: Coalescences of the Southern Gyre with the Great Whirl in the western Arabian Sea in a regional ocean model

Presenter: 寺田雄亮, 升本順夫  学生優秀発表賞受賞
Title: Quantitative Evaluation of Tropical Ocean Waves from the Indian Ocean to the Pacific Ocean through the Indonesian Seas
2022.4.5

研究アイコン 2021年ノーベル賞を受賞した真鍋淑郎先生のご研究成果について、升本先生を含む先生方がインタビュー形式で解説した特別記事が理学部の魅力を伝えるウェブサイト「リガクル」に掲載されました。
地球物理分野から初のノーベル物理学賞受賞であり、現代の大気海洋研究の礎となった真鍋先生のご研究成果の解説から、先生方の現在の研究内容についても言及した記事ですので、是非ご覧ください。
未来を見通す「先駆者」の軌跡(日本語記事)
The Story of a Pioneer Who Sees into the Future(English site)

2022.4.4

メンバーアイコン メンバーページに卒業生の欄を追加しました。


2022.4.1
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修士課程を修了した寺田さんが博士課程に進学しました。おめでとうございます。
メンバーページも更新しました。

2022.3.24

メンバーアイコン 博士課程3年の松田さんに理学博士の学位が授与されました。おめでとうございます。


2022.3.21
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2018年に科研費・基盤研究(A)によって実施された白鳳丸による東部インド洋観測航海 (KH-18-6) の研究成果が、Siyu Jiangさんらとの共著論文として出版されました。

Authors: Jiang, S., F. Hashihama, Y. Masumoto, H. Liu, H. Ogawa, and H. Saito
Title: Phytoplankton dynamics as a response to physical events in the oligotrophic Eastern Indian Ocean
Progress in Oceanography, 203, 102784, doi: 10.1016/j.pocean.2022.102784
2022.3.8

研究アイコン 博士課程1年の久住さんが東大大学院入学を考えている方々へ向けて書いた記事が、地球惑星科学専攻ホームページ【学生の声2021】に掲載されましたので是非ご覧ください。
院試 (大学院修士課程入試) の勉強法や大学院での日々、久住さんの研究テーマである"西部アラビア海における夏季海面水温の変動"についても、分かりやすく説明してくれてます。

2022.3.4

発表アイコン オンライン形式で開催されたOcean Sciences Meeting 2022において、修士課程2年の寺田さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: Yusuke Terada
Title: Indo-Pacific interbasin exchange of equatorial wave energy through the Indonesian archipelago in a reduced gravity model
2022.1.13
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科研費・基盤研究(A)の研究成果が、Vinayachandranさんらとの共著論文として出版されました。

Authors: Vinayachandran, P. N. M, Y. Masumoto, M. J. Roberts, J. A. Huggett, I. Halo, A. Chatterjee, P. Amol, G. V. M. Gupta, A. Singh, A. Mukherjee, S. Prakash, L. E. Beckley, E. J. Raes, and R. Hood
Title: Reviews and syntheses: Physical and biogeochemical processes associated with upwelling in the Indian Ocean
Biogeosciences, 18, 5967-6029, doi: 10.5194/bg-18-5967-2021
2021.11.20

受賞アイコン 本専攻の前身である地球物理学専攻の大先輩である真鍋淑郎先生が2021年ノーベル物理学賞を受賞されました。
升本先生および山形先生が真鍋先生の功績を称える記事を理学部ニュース2021年11月号に寄稿されましたので、是非ご覧ください。

2021.11.18

発表アイコン 名古屋大学で開催された研究集会"Approaches for Hydrospheric-Atmospheric Environmental Studies in Asia-Oceania"で、修士課程2年の寺田さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: Yusuke Terada
Title: Indo-Pacific interbasin exchange of equatorial wave energy through the Indonesian archipelago in a reduced gravity model
2021.11.11

メンバーアイコン 博士課程3年の松田さん、博士課程2年の久住さんが
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業
東京大学「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成プログラム」コース生
に選ばれました。
このプログラムは、グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成を行い、GX実現に向けて活躍する人材を輩出することを目的としています。

2021.9.16

発表アイコン オンライン形式で開催された日本海洋学会 2021年度秋季大会において、博士課程3年の松田さんと修士課程2年の寺田さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: 松⽥拓朗, 升本順夫
Title: 南極周極流にローレンツ・ダイアグラムを適用する際の問題点

Presenter: 寺田雄亮, 升本順夫
Title: インドネシア多島海を通じた太平洋 – インド洋間の波動エネルギー伝播経路 –太平洋から入射する場合–
2021.6.29
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海洋に関する学際的かつ総合的な学術研究の推進を目的とする日本海洋政策学会では、毎年「学生小論文」を募集しています。
テーマは「海洋問題解決への提案」で、どのような切り口の提案でも結構です。
応募資格は「大学生、大学院生」、応募締め切りは9月30日となっています。海洋に関わる問題を考えてみたい方は、夏休みの時間を使ってぜひ応募してみてください。
詳細は 募集案内 をご参照ください。

2021.6.5

発表アイコン オンライン形式で開催された日本地球惑星科学連合2021年大会において、升本先生、博士課程3年 松田さん、博士課程1年 久住さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: Yukio Masumoto
Title: Distribution and movement of microplastics in the Indian Ocean

Presenter: 松⽥拓朗, 升本順夫
Title: Eddy-mean flow interactions and vertical energy redistribution associated with the standing meander in the Antarctic Circumpolar Current

Presenter: 久住空広, 升本順夫
Title: Interannual variability in sea surface temperature off Somalia in boreal summer – Similarities and differences between “Warm year” and “Cold year” –
2021.4.15
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JAMSTEC(海洋研究開発機構)の青木さんと升本先生との研究成果が論文になりました。

Authors: Aoki, K. and Y. Masumoto
Title: Interpreting Reynolds stress from perspective of eddy geometry
Dynamics of Atmospheres and Oceans, 94(2021), 101223, doi: 10.1016/j.dynatmoce.2021.101223
2021.4.6
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博士課程3年の松田さんの論文が出版されました。

Authors: Matsuta, T. and Y. Masumoto
Title: Modified View of Energy Budget Diagram and Its Application to the Kuroshio Extension Region
Journal of Physical Oceanography, 51(4), 1163-1175, doi: 10.1175/JPO-D-20-0124.1
2021.4.1
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安田さんが修士課程に入学、修士課程を修了した久住さんが博士課程に進学しました。おめでとうございます。
メンバーページも更新しました。

2020.11.29

発表アイコン オンライン形式で開催された日本海洋学会 2020年度秋季大会において、博士課程2年の松田さんと修士課程2年の久住さんが研究成果を口頭発表しました。

Presenter: 松⽥拓朗, 升本順夫
Title: 南インド洋におけるモード⽔の変性メカニズム

Presenter: 久住空広, 升本順夫
Title: アラビア海⻄部のソマリア沖海域における夏季SST変動への年周期ロスビー波の影響
2020.10.6

メンバーアイコン 修士課程1年の寺田さんが東京大学「宇宙地球フロンティア国際卓越大学院プログラム」コース生に選ばれました。
このプログラムは、東京大学のなかでもトップレベルの学生さんを国際的な場で活躍する博士人材に育成することを目的としています。
(アイコンをクリックするとメンバーページに移動します。)

2020.8.4

論文アイコン 論文リストを更新しました。
(アイコンをクリックすると研究業績のページに移動します。)

2020.6.30

研究アイコン 人工衛星観測によるデータや海洋内部の水温、塩分データが蓄積してきた1982年から2014年までの観測データを用いてインドネシア多島海における海面水温の長期トレンドを見積もり、その発生要因を検討した論文の和文要旨をこちら にまとめました。
日本学術振興会(JSPS) 二国間交流事業および科研費・基盤研究(A) の助成を受けた研究成果です。
日本地球惑星科学連合(JpGU)が運営する英文電子ジャーナルにも要旨が掲載されていますので、あわせてご覧ください。

2020.6.19
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日本学術振興会・二国間交流事業および科研費・基盤研究(A)の研究成果が、インドネシアLIPIのA'anさんとEdwardsさんとの共著論文として出版されました。

Authors: Taufiqurrahman, E., A. J. Wahyudi, and Y. Masumoto
Title: The Indonesian Throughflow and its Impact on Biogeochemistry in the Indonesian Seas
ASEAN Journal on Science & Technology for Development, 37 (1), doi: 10.29037/ajstd.596 (Review article)
2020.5.25
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二国間交流事業の共同研究者であるIskandarさんの論文が出版されました。

Authors: Iskandar, I., W. Mardiansyah, D. O. Lestari, and Y. Masumoto
Title: What did determine the warming trend in the Indonesian sea?
Progress in Earth and Planetary Science, 7:20, doi: 10.1186/s40645-020-00334-2
2020.4.2
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寺田さんが修士課程に入学しました。おめでとうございます。学部4年生での特別研究も升本先生の下で進めてくれていた学生さんです。
メンバーページも更新しました。

2019.10.24

メンバーアイコン メンバーページを追加しました。


2019.6.25

研究アイコン 2018年12月6日-29日、東部インド洋における海洋物理・生物地球化学・生態学的特性を統合的に把握することを目的として、関連分野の研究者が協力して白鳳丸による東部インド洋観測航海(KH-18-6)を行いました。
私たちの研究室では、Leg-3(ジャカルタ→フリーマントル間)に乗船し、研究内容「1. 東部インド洋における表層循環系に関する研究」を担当しています。
航海の詳細についてはこちら から。

2019.5.30

受賞アイコン 升本先生がアメリカ地球物理学連合の優秀査読者賞(JGR-Oceans)を受賞されました。
Prof. Masumoto has been named one of the AGU’s Outstanding Reviewers of 2018 for his contribution to JGR-Oceans.

2019.5.17
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UTokyo Science Research Video
『エルニーニョ現象が起こるきっかけはまだわかっていない』

14. Sep. 2016

東京大学公開講座
『変わる気候を予測する』

05. Oct. 2013

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