2009 年度 第13回 気象学セミナー

場所 理学部 1号館 西棟 7階 710号室
日時 11 月 12 日 (木) 16:30〜18:00
講演者 宮坂 貴文
講演題目 冬季北太平洋亜熱帯高気圧の十年規模変動 の変化
概要

 北太平洋に見られる亜寒帯海洋フロント、および亜熱帯フロントでは海面水温 の経年変動が大きく、大気との相互作用にとって重要な領域であると考えられて いる。冬季の亜寒帯フロント域の海面水温の十年規模変動はアリューシャン低気 圧の変動を伴っているのに対し、亜熱帯フロント域の海面水温十年規模変動は亜 熱帯高気圧の変動を伴っている (Nakamura et al. 1997) 。Nakamura et al. (1997) よりも解析期間を延長して亜熱帯高気圧の十年規模変動について NCEPの再解析データを用いて調べた初期解析の結果を紹介する。亜熱帯海洋フロ ント域での5年移動平均をかけたDJF平均場の海面水温に対する線形回帰解析を 1960年代後半以降の20年と1980年代後半以降の20年について行い比較したところ、 冬季北太平洋亜熱帯高気圧の東西スケールに違いが見られた。また、下流側への プラネタリー波の伝播の様子にも違いが見られた。こうした違いをもたらした要 因についての解析は今後の課題である。