2008 年度 第 13 回 気象学セミナー

場所 理学部 1号館 西棟 7階 710号室
日時 01 月 29 日 (木) 11:00〜12:00
講演者 岡本 功太
講演題目
Part1:地球温暖化に伴う中層大気大循環の加速メカニズムの研究
Part2:自発的調節過程を記述するバランスパラメータの解析
概要

Part1
近年地球温暖化に注目が集まっている。CCMなどのシミュレーションでは、温暖 化に伴って中層大気大循環(Brewer-Dobson循環)が加速されるという結果が出て いるが、なぜそうなるのかについてはまだよくわかっていない。本研究では加速 のメカニズムを解明するとともにそれによって循環がどのように変わり、大気が どのように影響を受けているのかを理解することを目的とする。 今回の発表では、先行研究でいくつか提案されているBrewer-Dobson循環の加速 メカニズムを紹介する。

Part2
重力波は大気中で運動量輸送能力を持ち、大気の大循環に影響を与えている。重 力波が解像できないGCMなどでは、重力波の効果をパラメタリゼーションによっ て取り入れている。このうち山岳波など位相速度が0の重力波のメカニズムはよ くわかっているが、非定在性の重力波についてはまだよく理解できておらず、パラ メタリゼーションにおいてソーススペクトルを一様にするなど、非現実的なもの が取り入れられている。本研究では中緯度対流圏界面付近での自発的調節過程で 発生する重力波に注目し、そのソースをバランスからのずれを表すパラメータで 表現する可能性を検討する。