2008 年度 第 3 回 気象学セミナー

場所 理学部 1号館 西棟 7階 710号室
日時 7 月 10 日 (木) 10:30〜12:00
講演者 舘野 聡
講演題目
高解像度気候モデルを用いた、南半球中高緯度の重力波の季節特性の研究
概要

大気重力波は大気の至るところに存在し、運動量の鉛直輸送能力により 大気大循環の形成に重要な役割を担っていることは広く知られている。 重力波の活動が強い季節、領域はラジオゾンデ観測、人工衛星等、 様々な観測手法により明らかになりつつあるが、 それぞれ観測できる重力波スペクトル帯域は限られている。 大型大気レーダーも、観測可能スペクトル帯域は広いが、観測地点は限られる。

北極域下部成層圏では極渦の強い冬に重力波活動が極大となることに対し、 Yoshiki and Sato (2000)、Pfenninger et al. (1999)は、 ラジオゾンデ観測データの解析から南極域では春に極大となること明らかにした。 本発表では、上記のような南半球中高緯度に特徴的な重力波活動を中心に、 高解像度気候モデル(KANTOプロジェクト)を用いて重力波の季節変化、 3次元空間分布及びその発生メカニズムの系統的解明を 目指し解析を行った結果を報告する。