2007 年度 第 13 回 気象学セミナー

場所 理学部 1号館 中央棟 8階 843号室
日時 1 月 31 日 (木) 10:30〜12:00
講演者 木下 武也
講演題目
3次元Wave-Activity Fluxとそれを用いた成層圏極域の研究
概要

 冬半球成層圏では主にプラネタリー波の砕波によって駆動されるブリューワドブソン循環 が存在し、これに伴って赤道下部成層圏で作られたオゾンが中高緯度へ運ばれている。 南半球では冬に極渦が形成され、春にオゾンホールが出現し、極渦が崩壊すると共に オゾンホールが消失する。 Sato他(2008,投稿準備中)では、昭和基地オゾンゾンデ観測及びILAS-U観測のデータ解析 によってオゾン層回復時に地点によって水平方向の輸送が大きく異なることを示している。

 本研究では、オゾン等大気微量成分の3次元的な輸送を定量化することが目的である。 今回の発表では、TEM(変形オイラー平均)系において子午面断面でプラネタリー波の伝播や 活動を記述するEPフラックス及び、Miyahara(2006)によって提唱されたTEM系を3次元に拡張 したWave-Activity Fluxを紹介し、両者のフラックスと残差循環の導出の違いを述べる。