2007 年度 第 9 回 気象学セミナー

場所 理学部 1号館 中央棟 8階 843号室
日時 11 月 22 日 (木) 10:30〜12:00
講演者 宮坂 貴文
講演題目
亜熱帯高気圧の季節進行
概要

 亜熱帯高気圧は亜熱帯海洋上の東側に中心を持つようにして年間 を通じて存在し、沿岸湧昇等を通じて沿岸付近の低海面水温化に寄 与したり、大気の安定化を通じて海洋性層雲の発達に寄与している と考えられ、気候システムの重要な一要素である。こうした亜熱帯 高気圧の形成力学について夏季と冬季について研究がなされてきて おり、夏季と冬季で位置や三次元構造が同じであるにもかかわらず、 その形成力学が異なることが分かってきている。

 本研究では夏季から冬季への、そして冬季から夏季への遷移の様 子を再解析データに基づいて調べた。その結果、亜熱帯高気圧は夏 季と冬季だけでなく、春季と秋季においても同様の三次元構造を持っ ていることが分かった。また、夏季の亜熱帯高気圧を形成するフィー ドバックシステムが北半球では4〜10月の間、南半球では9〜5 月の間働いていることが示唆された。